近年、ゲリラ豪雨などの増加により、落雷による損害が身近な問題となっています。
落雷でテレビなどの家電が壊れたり、屋根が破損したりした場合、火災保険で補償を受けることができるのでしょうか。
今回は落雷によるテレビの故障が火災保険の保障対象になるのか、どのように対処するのかについて徹底解説いたします。
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落雷による損害も火災保険で補償される
落雷による損害は火災保険の補償範囲に含まれています。
落雷によって火災が発生した場合だけでなく、過電流によってテレビやパソコンなどの家財が損害を受けた場合も火災保険で補償されます。
ただし、保険の対象が「建物」のみの場合は、テレビのような備え付けでない家電の損害は補償されません。また、「家財」のみの場合は、火災によって建物や備え付けの設備に損害が生じた場合の補償は受けられません。保険の対象が何になっているのか確認しておきましょう。
【地震でテレビが壊れた】地震保険で補償されるのか解説
建物で補償される事例
建物で補償される事例は以下のようなものが考えられます。
- 落雷が原因で火災が発生した
- 落雷によって屋根が破損した
- 落雷が原因で備え付けの家電（エアコン、食洗機など）が故障した
家財で補償される事例
家財で補償される事例は以下のようなものが考えられます。
- 落雷による過電流でテレビやパソコンなどの家電が故障した
- 落雷による火災で家財（家具や家電、衣類等）が損害を受けた
火災保険で補償される自然災害とは！補償範囲を網羅！
落雷による保険金の支払事例は多い
落雷による被害で火災保険を利用することは稀に思えるかもしれませんが、実際には火災による保険金の支払件数よりも多いです。
損害保険料率算出機構「火災保険・地震保険の概況（2023年度）」に掲載された火災保険 住宅物件事故種別支払統計表を一部加工したものを以下に紹介します。
| 事故種別 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 火災、破裂・爆発 | 7,086 | 6,896 | 7,762 | 7,816 | 7,963 | |
| 落雷 | 26,987 | 28,637 | 36,947 | 37,027 | 43,515 | |
| 自然災害 | 風災・雹災 | 819,484 | 497,798 | 196,418 | 116,448 | 218,640 |
| 雪災 | 16,978 | 9,205 | 78,748 | 87,062 | 97,180 | |
| 水災 | 9,902 | 21,330 | 4,444 | 2,555 | 4,797 | |
| その他 | 水濡れ | 42,058 | 47,499 | 57,693 | 54,298 | 57,066 |
| 水濡れ以外 | 189,165 | 211,821 | 277,111 | 282,835 | 322,909 | |
| 合計 | 1,111,660 | 823,186 | 659,123 | 588,041 | 752,070 | |
※各年度の件数は、その年度に発生した事故に対して、当該年度および翌年度に支払われた件数の合計です。
※「その他（水濡れ以外）」には、盗難、物体の落下、破損・汚損、電気的・機械的事故、地震火災費用等が含まれます（不明分も含む）。
この統計から、毎年1万件を超える落雷被害に対して保険金が支払われていることがわかります。実際には、保険を使わずに対応するケースも多いと考えられるため、落雷被害の実態はさらに深刻である可能性があります。
保険金請求の手続き：必要書類と注意点
落雷被害で保険金を請求する際の手続きは、他の補償と大きく変わりません。主に以下のものが必要となります。
- 保険会社指定の保険金請求書
- 被害状況を示す写真やデータ
- 修理業者による見積書や報告書
落雷の事実を証明する書類の提出を求められた場合、公的な証明書は存在しないため、以下のような資料で代用することができます。
- 気象庁や気象台の観測情報
- 電力会社等が公開している落雷情報
- 地域の新聞記事など
- 罹災証明
パソコンの損害には要注意
落雷でパソコンが故障した場合、特に注意が必要です。通常、パソコン本体の修理費用は補償対象となりますが、内部に保存されていたデータやソフトウェアは補償の対象外です。落雷による故障ではデータ消失のリスクが高いため、重要なデータは定期的にバックアップを取ることをお勧めします。
また、保険会社によっては、デスクトップ型パソコンは補償対象だが、ノートパソコンは対象外という場合もあります。ノートパソコンを使用している場合は、事前に保険会社に補償範囲を確認しておくことが賢明です。
火災保険申請の手続きの流れ
火災保険の申請方法のざっくりな流れは、
- まずは被害状況の確認をする
- 火災保険申請サポート業者に連絡する
- 火災保険申請サポート業者による現地調査と資料作成
- 保険会社に連絡
- 保険会社による現地調査
- 保険会社の調査終了後、保険金の支払い
- 火災保険申請サポート業者に手数料の支払い
となります。
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【火災保険申請のやり方】申請の手順や請求時のコツを徹底解説
まとめ
落雷による被害は、多くの場合、火災保険で補償を受けることができます。
テレビ以外にも多くの箇所が保障対象であることが分かりました。
ただし、契約内容によって補償範囲が異なるため、自身の契約内容を十分に理解しておくことが重要です。
適切に火災保険を利用し損をしないよう心がけましょう。
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